「ソーシャルアプリ」開発バブルの波

2010年1月号 連載 [IT万華鏡]

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今、ネット業界では「ソーシャルアプリ」というキーワードに熱い視線が注がれている。ネットコミュニティーであるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で動く、サードパーティーが提供するアプリケーションのことで、SNSの特徴であるユーザー同士の“繋がり”といった要素を反映させたコミュニケーション型ゲームなどを指す。

たかがゲームと侮ってはいけない。今やソーシャルアプリは世界中のベンチャー企業が開発を競う一大市場。SNSを利用する世界中の億単位のユーザーに向けてサービスを提供できるためで、ヒットすれば広告やコンテンツ課金を軸としたビジネス展開が望める。米国ではジンガなど数社が、ネット史上最速でユーザーを集めた「ユーチューブ」の成長を超える勢いにあり、投資家の注目も高く、資金も集まり始めている。

基盤となるSNSは英語圏の「フェースブック」が圧倒的に先行しているが、国内でも最大手のミクシィが8月に「mixiアプリ」として同様のプラットフォームを提供したところ、内外のベンチャー企業が続
々と参入。国内にも“ソーシャルアプリ・バブル”が現出した。

出だしは関係者の予想を大きく上回る。特に、10月から始まった携帯電話向けのサイトでは、アクセスが殺到して次々にシステムがパンク。数百万人の利用者をわずか数日で集めるなど、「従来のネットサービスとは次元が違う成長が可能」と関係者は興奮気味に語る。来年には、「モバゲー」で知られるディー・エヌ・エーも同様のサービスを開始すると発表しており、競争はさらに過熱しそうだ。

ただ、海外ではすでに優勝劣敗が顕在化。資金力がモノを言う段階に突入しており、ソーシャルアプリは最速でケタ違いの成長が期待できる一方、最速の短期決戦が求められる超激戦区でもある。

   

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