連載/「ウクライナ・ダイアリー」/前線に立つ兵士ユーリーとの交信/古川英治(キーウ在住)

2024年8月号 LIFE [ウクライナ・ダイアリー]

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前線に立つ兵士ユーリー・ボイコとソーシャルメディアで交信した。砲兵部隊に1年前に動員され、ロシア軍の攻勢を受ける東部ドンバス地方で戦っている。「この数カ月はかなり厳しい状況にある」。ユーリーは穏やかに話す。アメリカ議会が数カ月に及ぶ紛糾の末、4月にウクライナ支援予算をまとめたことで、弾薬の供給は好転しつつあるが、まだ十分にいきわたっていない。その隙をついて、ロシア軍は自軍の兵士の犠牲を顧みない人海戦術によりじりじりと支配地域を広げている。「だけど、我々は持ち堪えている」砲兵部隊を何度か取材したことがあるので、少しは状況が想像できる。特に2月に取材したドンバスの前線では欧米の武器供給が細り、砲撃を大幅に抑えざるを得えくなり、敵のドローンやミサイルの攻撃にさらされていた。兵力不足も深刻になっていた。ユーリーとは2022年4月に首都キーウ近郊ブチャで ………

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