在日米軍の居場所がない!/陸自と海自が「統合作戦司令部」の陣取り合戦

陸と海の主導権争いは初代司令官ポストだけではなく、統合作戦司令部の設計段階から始まっている。

2024年8月号 POLITICS

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7月1日に創設70年を迎えた自衛隊の内部で「熱い戦い」が繰り広げられている。主戦場となっているのは、来年3月末までの新設が決まっている「統合作戦司令部」の司令官人事だ。「複合事態において、統合作戦司令部が作戦全体を把握しながらコントロールできる。その点で極めて有効であることが検証できたのではないか」自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は5月30日の記者会見で、こう述べた。吉田氏が成果を強調したのは、同月に行われた「自衛隊統合防災演習」だ。演習では、まだ存在していない統合作戦司令部を仮設し、自衛隊の指揮統制要領を検証した。

海自が大臣に「入れ知恵」

陸海空自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部の新設は、自衛隊にとって長年の悲願だった。現在の自衛隊は、統合幕僚長が首相や防衛相に助言する役割を果たす一方、部隊を動かす総責任者も務めてきた。しかし、2011年の東日本大震災の際は ………

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