「害」が多い前立腺がんスクリーニング/地域医師会の「倫理観」映し出す!

厚労省や米専門委員会がPSA検査を推奨しないのは前立腺がん死が減らないから。

2024年8月号 LIFE

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前立腺がんのリスクは60歳を超えると急増する。本誌読者諸賢であれば、自治体から「前立腺がんスクリーニング」の案内が送られて来ているのではないだろうか。前立腺で産生されるPSAと呼ばれるタンパク質の血中濃度を評価する検査だ。がん「など」により前立腺「破損」されると血中へ流出し、濃度が上がる。そのため一定値を超えると前立腺がんの疑いが持たれる。厚生労働省の調査によれば、2022年時点で全国市町村の79%が、この検査を実施していた。しかしご存じだろうか?このPSAを用いた前立腺がんの一律スクリーニングを、国は推奨していない。米国の専門家からなる「予防医学専門委員会」も同様だ。同委員会は55歳から69歳なら「医師と相談の上で受けることも可」、70歳以上であれば「受けないよう」推奨している。

「生検」に伴う有害事象も

なぜか。米国専門家委員会はスクリーニングによる「益」が「害」を上回るとす ………

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