世界経済に漂う暗雲。日銀だけが野中の一本杉のように追加利上げに向かおうとしている。
2024年10月号 BUSINESS
米国の利下げ転換をきっかけに、世界のマーケットの舞台が転換しようとしている。米連邦準備理事会(FRB)の利下げのピッチの方が早いか、それとも米景気減速のペースの方が早いか。息詰まる競争が始まっている。9月7日、8月の米雇用統計の発表日。米雇用の失速を示す証拠が出ないかと、世界の市場関係者は日本時間午後9時半の発表を、固唾を飲んで見守った。結果は農業以外の雇用者の増加数が14万人台と市場予想を下回り、6月と7月の雇用者数も下方修正された。すわ景気後退シグナルか。意気込んだ向きは、次の瞬間に拍子抜けとなった。8月の失業率は4・2%と7月の4.3%より低下し、働く人の給与である平均時給も市場予想を上回ったからだ。全体としてみれば、雇用は悪いとも良いともいえない。まだら模様だった。これならマーケットは大きく動くまい。そう思った市場参加者は数時間後にちゃぶ台返しに ………
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